第1章 小さなきっかけ。
「あ、琴乃ちゃん!帰ってたのね!早かったのね!」
母はそういって笑った。
「近頃物騒だからってこれからしばらく授業が昼までになった。」
琴乃がそういうと、
母はなんだか驚いたような顔をした。
「あらー。じゃ、これからお昼ご飯用意しなきゃね!」
すぐにニコっと笑顔になった。
「ねぇ、さっき何してたの?」
琴乃がなんとなくそう尋ねると、
母の表情が少しだけ固まった。
「え?…なんで?」
「え?いや、別になんとなく。」
琴乃がそういうと、
母は再び笑顔になった。
「ちょっとお部屋で音楽かけてヨガしてたの!だから琴乃ちゃん帰ってきたの気付かなくて!」
母はそういうと、
夜ご飯の準備をするね!と言ってぱたぱたと階段を下って行った。
琴乃はゴロンとベットに寝転がった。
携帯を見ると優斗からメッセージが来ていた。