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Fake Love

第2章  変化


「えみー!遅かったね。何かあったの?」
教室ではりさが一人待っていた。

「何でもないよー!ごめん、お待たせ!」
さっき起こったことを話したらりさは殴り込みに行きかねないから黙っていることにした。


「そう?じゃあ帰ろっ!」
やっと、約束通り 四人で帰る。

でもりさはなんとなく気づいてい た。

自分以外の三人の変化に。
えみを挟んで歩く鳳と日吉が、以前よりえみに寄って歩いてることに。


二人ともまるでえみを守るかのように。



四人の別れ道に着く。
「じゃあ、また明日ねー!」
りさは元気に挨拶して帰る。


「じゃあ。」
日吉も素っ気ない挨拶で帰る。


「バイバイ!」
えみも自分の道を行こうとした。

「待って、送っていくよ。」
鳳が隣に来た。

「えっ大丈夫だよ?」

えみは断ったが、鳳は折れない。

「さっきのこともあったし…話したいこともあるんだ…。」

日吉とりさはもう帰っている。


「じゃあ、途中まで頼もうかな!」
結局、えみが折れた。


「うん。」


二人で歩く。
話したいことがあると言ったものの、鳳はなかなか口にできなかった。

「あの、話って??」
とうとうえみが問う。

「ああ…さっきのことなんだけど。」
「保健室の?」
「うん。」

「あのとき、何て答えようと思った?」
「え?」

思い出したくないさっきの出来事。


「言われてたよね…なんで俺とか日吉と愛内さんが一緒にいるのかって。」
「うん。」

思い出した。
答えがわからなかったんだ。
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