• テキストサイズ

黒子のバスケ*Short Stories

第7章 Rainy Day*黒子*


テツくんは私の額に手を当ててくれた。

白くて綺麗なのに、骨張っている男の子の手。

「…テツくんの手、冷たくて気持ちいい。」

「そうですか?こうしてると、少しでも和らぐかと思って。」

どうしてだろう?

テツくんが側にいてくれるだけで、穏やかな気持ちになっていく。

あれだけ苦しめられた痛みも少しずつ引いていくように感じた。

「名前、ボクは実は雨って結構好きなんです。」

「どうして?」

「雨の音で雑音がなくなって、静かな空気になります。雨の匂いなんかも好きです。」

空いた片手で私の髪を撫でながら、ぽつりぽつりと話してくれた。

「…頭痛おさまってきたかも。」

「良かったです。少し眠りますか?ろくに寝てないでしょう。」

うん、と頷くと、テツくんは私を抱き上げてベッドに寝かせてくれた。

「私が寝るまで一緒にいてくれる?」

そう尋ねると、私の手をきゅっと握って、
「寝るまでとは言わず、これからずっと一緒ですよ。」

テツくんは、優しくふわりと微笑んだ。

恥ずかしくて、でも嬉しくて私もついつい笑顔になる。

「…テツくん、ありがとう。大好き。」

「…ボクもですよ。…おやすみなさい。」
/ 445ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp