第6章 キミ不足*日向*
「ねぇ、順平?」
名前は顔をこちらに向け、上目使いで見つめてきた。
「…順平が足りない。もうちょっとだけ構ってほしいな。」
いつも彼女には気を遣わせてしまう。
今の言葉もかなり言葉を選んで伝えてくれたのだろう。
長く付き合ってきたからこそ、言葉にしないと伝わらないこともある。
「いつも我慢させてごめんな。お前に甘えてたわ。これからは気を付ける。」
「ふふ、ありがと。でもちょっとでいーよ。順平はバスケと戦国武将を愛してるからね。」
彼女はいたずらっぽく笑いながら、こう答えた。
「俺、お前の方が愛してんだけど。」
「…もぅっ!何言ってるの!」
そう言いながらも、頬を赤く染めて微笑む彼女。
あぁ、可愛い。
もっと大切にしよう。
彼女を俺で満たせるように。