第50章 ボーイズトーク*青峰*火神*高尾
<火神>
青峰が彼女を連れて輪から離れた後、高尾がこれぞとばかりに火神にも質問をした。
「てか、火神は?彼女とかいねーの?」
「はぁっ!?……いるけど。」
火神は顔を赤くして、目をそらして答えた。
「はー!やっぱモテんだな、お前も。どんな子?今日来ねーの?」
「同じクラスのやつ。さっきもうすぐ着くってメール来たけど…。」
火神が辺りを見回して彼女の姿を探していると、高尾が一人の女の子に目をつけた。
「あ、あの今公園入ってきた子?結構可愛いじゃん。」
「お!そうそう。ちょっと行ってくるわ!」
彼女の姿を確認した火神は立ち上がり、颯爽と彼女の所へと駆けていった。
「…おーおー、嬉しそうな顔しちゃって。青峰とはそういうとこは逆だな。」
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「名前!」
火神が彼女の名前を呼ぶと、名前は気付き嬉しそうな表情を浮かべた。
「あ、大我!試合終わっちゃった?」
「まだあと2試合やるから大丈夫。…これ、差し入れか?」
火神は名前が持っていた大きな紙袋を持ち上げた。
「うん、約束してたでしょ?さすがにチーズバーガーは作れなかったから、サンドイッチいっぱい作ってきた。」
「マジか!うわー!腹減ってた!食っていいか?」
「もちろん!でも、あんまり食べ過ぎちゃだめだよ?」
二人はベンチに腰掛け、火神は紙袋に入っていた箱の一つを取り出した。
ハムや玉子やレタスが挟まったサンドイッチを見て、火神は瞳を輝かせた。
「いただきまーす。…うん、うめー!」
「良かった!大我料理上手だから、出すのは結構勇気がいるんだよ?」
ほっと肩を撫で下ろした名前の肩を火神は左腕で引き寄せ、そっと呟いた。
「…お前が作るやつならどれも美味いって。」
パクパクと美味しそうにサンドイッチを食べる姿を見れば、その言葉が嘘じゃないのはひしひしと伝わってきた。
「…ありがと。」