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黒子のバスケ*Short Stories

第49章 ボーイズトーク*黒子*黄瀬*伊月


伊月は公園の手前の交差点で信号待ちする彼女にいち早く気が付いた。

「俊くん!ごめん、遅くなって!」

「名前!連絡くれれば迎えに行ったのに…。ほら、貸して?」

伊月は名前が両手に持っていた大きなビニール袋を軽々と持ち上げた。

「試合中だったら迷惑かなって思ったの。だから…。」

「そんな余計に気を回さなくていいから。何年一緒にいると思ってるんだ?」

「…そだね。じゃあ1個私に持たせて?俊くんと手繋ぎたいから。」

「…素直だな、名前は。じゃあこっち持って?」

お互いの空いた片手の指を絡めて、幸せを噛み締めるようにコートへと歩みを進めた。

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黒子と黄瀬は遠巻きに幸せそうに微笑む二人を見つめていた。

「仲良しっスねぇ…。」

「名前先輩は伊月先輩の幼なじみだったそうです。よく練習や試合も見に来てくれて、カントクともお友達なので合宿などは手伝いに来てくれていました。すごく優しい方です。」

「へぇー…、さっき伊月さんが彼女に気付いたのはさすがのイーグルアイっスね。」

「伊月先輩はバスケ以外ではイーグルアイは使わないって言ってましたよ?使いすぎると頭が痛くなってしまうそうです。」

黄瀬は少し目を見開いたが、ふっと口許を緩めた。

「まぁ、彼女は特別っスからね。よし!黒子っちそろそろっスよ!次は緑間っちたちチーム眼鏡っス!」

「絶対勝ちます。」

よりモチベーションを上げて、二人もコートへと向かった。
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