第49章 ボーイズトーク*黒子*黄瀬*伊月
<黒子>
次の試合までの待ち時間。
黒子、黄瀬、伊月のチーム緑は木陰の下で円になり話をしていた。
バスケの話や学校の話で盛り上がったところで、伊月が何かに気がつき、黒子に尋ねた。
「そういえば、黒子最近苗字と出掛けたりできてるのか?今日もせっかくの休みなのに、結局バスケになっちゃったな。」
すると、黒子は宙を見つめうーん…と少しだけ考えたが、すぐに笑みを浮かべて答えた。
「彼女も今日楽しみにしてたので大丈夫だと思います。中々遠出はできませんが、時間を見つけて一緒にいるようにはしています。」
「え!?…黒子っち、もしかして彼女出来た?」
突然の黒子の告白に、黄瀬が目を見開いて話を遮った。
「はい。まだ1ヶ月くらいですけど。」
「何で教えてくれないんスかぁー!」
「言う必要がないと思ったので。」
「ひどっ!ひどすぎっスよ!」
がっくりと肩を落とし黒子の肩を掴んでブンブン体を揺らす黄瀬。
それを無表情で受け止める黒子。
それが何とも不憫で、伊月はついつい黄瀬に同情してしまった。
「黒子…もうちょっとオブラートに包んでやれ…。」
「ちなみに彼女って…」
「試合お疲れさまでした!スポドリいかがですか?」
黄瀬の言葉の途中で、はっきりと通る明るい女の子の声がした。