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黒子のバスケ*Short Stories

第48章 君色*黒子


名前が手に取ったのはリボンに水色のストーンがついたシルバーのネックレスだった。

僕は戸惑いを隠し、それを彼女から受け取った。

お店を出て、噴水広場のベンチに並んで腰かけた。

「名前、どうぞ。」

僕は先程お店できれいにラッピングしてもらったネックレスを彼女に手渡した。

「ありがとう!大切にするね!…今、つけちゃおうかな。開けてもいい?」

「もちろんです。あ、それもう一度貸してくれませんか?」

「え?いいけど…。」

彼女は疑問を感じながらも僕に箱を渡した。

箱からネックレスを取り出して、彼女の後ろから手を回し首もとにチェーンをかけた。

彼女は少し俯いていたが、真っ赤に染まった頬や耳はこの至近距離では隠しきれていなかった。

僕自身も、いつもと全く違う角度からの彼女にドキドキさせられた。

パチンと留め具をかけると、彼女は僕の方をくるりと向いた。

「似合うかな?」

彼女ははにかみながらも僕の目をしっかりと見つめている。

「はい、やっぱり似合っています。…でもどうして水色を選んだんですか?てっきり赤や黄色を選ぶと思いました。」

「…テツくんの色でしょ?」

「…え?」

言葉の意味がわからなくて、思わず聞き返した。

「テツくんの髪と瞳の色と同じでしょ?付き合い始めてからね、水色のものが前よりも目につくようになったの。赤や黄色は確かに好きだけど、水色は特別だよ。」

自意識過剰かもしれないけれど。

それは、僕を「特別」だと言われているみたいで、胸がとくんと音を立てた。

「…自惚れてしまいそうです。」

「自惚れじゃないよ。…それだけテツくんでいっぱいなの。」

僕にとっても君は「特別」で。

君が僕の色に染まっていくように、僕も君の色に染まっていくんだ。
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