第45章 9月9日*桜井*
「あれ?名前ちゃん、指どうしたの?」
部活からの帰り道。
手を繋ごうとした時に、良くんは私の指の絆創膏に気が付いた。
「お湯こぼして、火傷しちゃった。」
「もー…。気を付けて?せっかく綺麗な指なのに…。」
彼は絆創膏が巻かれた指を手に取り、もう片方の手でそっと撫でてくれた。
咄嗟についてしまった嘘に罪悪感を感じつつ、そんな彼の優しさをかみしめて思わずにやけてしまう。
良くんと一緒にいると、ほんわかして暖かい気持ちになる。
好きだよ?
だから、困った顔よりも笑ってる顔をたくさん見たいの。
明日は彼の誕生日。