第38章 8月31日*青峰*
8月31日。
朝一番に珍しくメールがきた。
「だるい」
その一言だけ。
いつもメールを面倒臭がって電話をかけてくるのに。
「何かあったのかな…。」
私は用意してあった紙袋と鞄を手に取り、とりあえず様子を見に行ってみることにした。
ピンポーン
インターホンを鳴らしても反応がない。
「寝てるのかな…。」
どうしようかと立ち尽くしていると、足音が近付いてくるのが聴こえた。
扉が開いたと同時に、Tシャツにハーフパンツ姿の彼が現れた。
「名前…。」
ぐらりと大きな体が私の方に倒れかかってきた。
「大輝!?どうしたの?…ていうか、熱い!」
息苦しそうな浅い呼吸に、にじむ汗。
そしてもたれかかってきた体全部から伝わる体温。
「熱ある…。」