第35章 彼氏彼女ができるまで*笠松*
「まさか笠松先輩に彼女が出来るなんて…未だに信じられないっス!」
「笠松に先を越されるとは…可愛い女の子たちに会わんと力が出ない!」
「うぉぉー!笠松先輩やっぱ(り)モテ(る)んですね!」
「お前らうるせーよ!おらっ!さっさと練習始めるぞ!」
いつも賑やかな海常高校バスケットボール部。
私の彼はそんなバスケ部を束ねるキャプテン。
こんな風にからかわれていたなんて、後から彼に聞いて知ったんだけどね。
皆驚くのも無理はない。
彼は基本的に女の子は苦手で、私も最初はまともに話してもらえなかった。
挨拶しただけでしどろもどろになるし、顔は真っ赤になるし。
こんな反応する男の子、今時珍しいななんて思っていた。
ただ、それはほんの少しの興味だった。