第33章 駆け引きなんていらない*今吉*
今までは勢いでぶつかっていた。
だけど今回が最後の告白だと思うと、臆病にならずにはいられなかった。
私は意を決して部活後の今吉先輩に声をかけた。
「今吉先輩。この後少しお時間いただいてもいいですか?」
「ん?今でもえぇよ?」
「二人きりになりたいんです。」
「…わかった。ほな着替えたらまた体育館来るわ。」
いつも以上に真剣な眼差しになっていたと思う。
顔も強張り、表情が固まる。
彼の表情が笑顔から真顔に変わっていた。
私も着替えを急ぎ、体育館で彼を待った。