第27章 文化祭①/伊月*宮地*森山
<伊月>
今年も文化祭の季節がやって来た。
誠凛は新設校なだけあり、文化祭も生徒のアイディアが活かされることが多い。
ただ、主催する生徒会にはあの人がいる。
副会長は…カントク。
彼女がスキップしている時は嫌なことしか起こらない。
「そういえば今年の文化祭はミスタープリンセスコンテストよ!」
練習後のミーティングで満面の笑みで発表した。
「はぁっ!?何だ、それ?」
部員全員がざわつき、そして恐怖を感じた。
「その名の通り!男子生徒が女装して美しさを競うのよ。各クラス1名ずつ代表で出ることになっているわ。優勝賞品はクラスには全員分の温泉旅行!…そして個人には三大珍味乗せスペシャルパン1年分無料引換券!!」
「どんだけ賞品豪華なんだよ!!」
「うちの学校イベントそんなに多くないから経費があるらしいのよ。この中で誰か一人が優勝すれば、全員にスペシャルパンが行き渡るわ…。優勝するわよ!」
「えーーーー!!!!」
またとんでもない企画思い付いたな。
名前を見ると、にこにこしながら黒子と話している。
「うちのクラスなら黒子くんかな?」
「…出来れば避けたいです。」