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黒子のバスケ*Short Stories

第26章 教室にて。/高尾*今吉*水戸部


「これ水戸部くんが作ったの!?すごいよ!」

その時に分けてあげたおにぎりとおかずがよっぽど美味しかったらしく、苗字はすごく可愛い笑顔でもぐもぐ食べていた。

「うち共働きだから、お昼はいつも買いに行くんだよね。あたしもお弁当作ってみようかな。」

そこで、彼女の分もお弁当を作ってあげることを提案した。
(正しくは、小金井に伝えてもらった。)

最初は申し訳ない、と断ってきた彼女だったが、兄弟の分を作るついでだということと、週に一度くらいならということで同意してくれた。

実は前々から彼女のことは気になっていたが、中々近付くきっかけが掴めなかったので良い口実になった。

たまに「いつもありがとう」と、手作りのお菓子をプレゼントしてくれるのも嬉しかった。

お弁当を作ってきた日は彼女も友達と離れ、二人で前後の席に座り、お昼ご飯を一緒に食べた。

二人の時間を過ごすことで、彼女も俺の言いたいことを少しずつ汲み取れるようになってくれた。

「水戸部くんがもし旦那様だったら、こんな感じで二人でご飯食べるのかな…。」

視線を外しながら頬を染めてぽつりと呟いたのを、俺は聞き逃さなかった。

来週のお弁当に小さなメモを入れてみよう。

彼女はどんな顔するかな?

「君が好き。」と書かれたメモを見て。



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