第25章 香る。/実渕*氷室*火神
「いただきます!」
食卓に数々の料理が並ぶ。
ハンバーグやスープの香りがふわっとする。
デミグラスソースがかかったハンバーグ。
一口大に切ると肉汁が溢れた。
「…美味しい!大我やっぱり天才!」
「おぅ、良かった。…うん。旨いな。」
二人で食卓を囲むことも日常になっていたが、名前は必ず俺の料理を褒めてくれた。
「料理は大我に敵わないもんなー。」
「そうか?お前の方が和食とか得意じゃん。俺煮物とか好きだけど。」
「ふふっ。ありがと。」
彼女が食べる様子を見ていると、リズムよく箸を進めていた。
「名前夏バテ治ったか?あんま無理して食べなくていいぞ。」
「んー…まだちょっとやられてるけど…。何か大我のご飯の香りは食欲をそそるんだよね。特別。」
「そりゃお前への気持ちの入れ方が違うからな。」
「大我の愛を感じる。…あたしの好きなもの作ってくれてありがとう。」