• テキストサイズ

黒子のバスケ*Short Stories

第24章 繋ぐ。/赤司*緑間


その日の帰り道。

いつもと変わらず、二人日が落ちた道を並んで歩く。

「真太郎、どうかした?何か眉間に皺寄ってるけど。」

「いや…。何でもないのだよ。」

そっか、と名前は手に持っているカフェオレに口を付けた。

本当は、触れてみたい。

だが、どういうタイミングで触れていいのかわからない。

急に触れられて驚かせないか、嫌だと思われないか。

その時車が猛スピードでこちらに向かってきた。

咄嗟に彼女の手首を掴み、歩道側に寄せた。

「全く危ない運転なのだよ。」

「真太郎、ありがとう。でも、あの…手首痛い…。」

彼女の言葉にふと目をやると、無意識に力を込めて手首を握ってしまっていた。

「あぁ…すまない。」

手を離そうとした時に、彼女の小さな手が目に入り同時に高尾との会話が脳裏を過った。

そっと彼女の手を取り、優しく握った。

少し不安になり、彼女に視線を落とす。

「えへへっ…。真太郎の手、やっぱり大きいね。」

いつもの笑顔とは違う、幸せに満ちた穏やかな笑顔に見えた。

手を繋ぐ。

たったそれだけで、こんなにも暖かい気持ちになれるなんて初めて知った。
/ 445ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp