第23章 恐がる。/木吉*笠松*火神
名前とはアメリカにいた時に出会った。
お互い親の転勤で、数少ない日本人ということもあり、タツヤとよく3人でいた。
俺が中2の時日本に戻ることになり、当時既に恋人だった彼女を置いていく形になってしまった。
高校進学と同時に日本に戻ってきた彼女と今は同じ高校に通い、たまにこうして俺の部屋に泊まりに来ている。
一人残されたことが彼女にとってトラウマになっているようだ。
「大我はもう側にいるのに、何でだろう。」
不安を顔に浮かべる彼女。
俺もベッドに戻り、彼女の体を包み込んだ。
「俺はここにいる」
それを体全部で伝えるように。
腕でしっかりと彼女の体を抱き締め、足を絡めた。
手で彼女の頭を撫でながら、言葉にした。
「もう絶対離れねぇよ。離れても今度はもう子どもじゃない。一生一緒にいるから。」
「…うん。私もだよ…。」
そう呟いて、彼女は瞳を閉じた。
すぐに眠りについた彼女は、今度は穏やかそうな表情を浮かべていた。