第3章 Good Morning*火神*
朝、横を向くと名前の気持ち良さそうな寝顔。
さらさらの黒髪に思わず指を通す。
まつげが意外と長かったり、ほくろを見つけたりと、顔が近いと新たな発見もある。
ついつい見とれてしまったが、そろそろ起きる時間か?
起こしてやった方がいいか?
名前の口元がゴニョゴニョ動く。
「たいが…。」
柔らかく微笑みながらの寝言。
「…っ!反則だろっ!」
そっと口づけを落とす。
「…ん…。」
さて、そろそろ朝飯でも作るかな。
ベッドから出ようとすると、ぐいっとTシャツの裾を引っ張られる。
「大我、おはよ…。」
「はよ、名前」
寝ぼけ眼もまた可愛い。
「体、起こしてくれる?」
腕を伸ばしてのおねだり。
寝起きは大体いつもより甘えてくる。
「リョーカイ。」
ふわっとベッドから名前を持ち上げる。
所謂お姫様だっこ。
もう一度唇を合わせる。
恥ずかしがりながら、顔を赤らめくしゃっとするのも愛しい。
「朝飯何がいい?」
「大我特製のフレンチトースト!」
「よっしゃ、じゃあ座っとけ。」
「あたしもサラダくらいは出来るもん!」
こんなやり取りがこれからも続くんだろうな。