第20章 Good Luck*緑間*
「メガネケース…。」
「今日の蟹座のラッキーアイテムでしょ?もちろん持ってるのは分かってたんだけど…。」
「感謝するのだよ。…俺もお前にこれを渡そうと思った。」
すると緑間くんは大きな紙袋を私に渡した。
ふわりと鼻をかすめた香り。
「うわぁ…可愛い!」
中には淡い色使いの小さな花束が入っていた。
「今日のお前のラッキーアイテムだろう。…女性に花を贈りたいと生まれて初めて思ったのだよ。」
勘は確証に近付いた。
「あのね、緑間くん。わた…」
「待て。…お前が好きなのだよ、苗字。」
呼吸が止まるかと思った。
まさか彼から告げられるなんて思っていなかったから。
「うん。緑間くん、私も好きだよ!」
占いが繋いでくれた絆。
彼の隣に口実がなくてもいられる幸せを大切にしていこう。
「直感信じてよかったなー。おは朝すごいわ!」
「…俺は自分の気持ちに正直になれとおは朝に言われたのだよ。」