第19章 一筋の光*青峰*
翌日の昼下がり。
私は学校の屋上のあの場所にいた。
「名前、なんだよ話って。」
そう。私は大輝くんを呼び出した。
「あのね。」
そう言って私は右手の甲を彼に向けて見せた。
「お前…指輪は?」
「お家に置いてきた。自分の気持ちに正直になろうと思って。」
指輪を外すこと。
それは自分の気持ちにけじめをつけた証。
区切りを付けた証でもあった。
「私、大輝が好きなの。だから私とこれからも一緒にいてほしい。」
調子がいいこと言ってるのわかってる。
自分勝手なことして、彼のこと傷つけたのに。
手足が緊張で震える。
「…わかってるっつーの。」
そう答えが聞こえてきたと同時に、彼は指で私の顎を上げ、自分の唇で私のそれを塞いだ。
「オレはお前のこと置いてかねーから。」