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黒子のバスケ*Short Stories

第19章 一筋の光*青峰*


試合が終わり、帰ろうと駅へ向かう。

すると、体育館の外の踊り場のところに見慣れた人影。

私はその人影に近付き、声をかけた。

「大輝くん…?」

桐皇学園のジャージを着た大輝くんが屋上にいる時のように寝そべって、空を眺めていた。

「名前…。」

私は彼の隣にちょこんと腰掛けた。

沈黙の時間が続く。

「…負けた。気分わりぃ。」

「でも大輝くんすごくいい顔してたよ?確かに勝てなかったけど、私にバスケのこと話してくれた時の顔よりずっと楽しそうだった。」

「久しぶりに勝つか負けるか分からねぇ試合だった。…早く練習してぇな、今は。」

「…前に進めるね。良かったね、大輝くん。」

彼の心の闇に一筋の光が射し込んだのだろう。

私は本当に嬉しかった。

そして同時に、見て見ぬふりをしていた気持ちにもう嘘がつけなくなってきていることにも気付いてしまった。
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