第17章 一日だけ*赤司*
「京都で祇園祭という大きな祭りをやっているから来るといい。」
高校から京都に行ってしまった征ちゃんからのメール。
もうすぐIHだけど大丈夫なのかな?
「今週末行ってもいい?」
返事を送ると、すぐに携帯が震えた。
「楽しみにしている。」
彼らしい一言。
短いけど嬉しそうな気持ちが伝わってくる。
彼とは幼馴染みで幼稚園から中学校までずっと一緒だった。
何でもそつなく出来て、人の上に立つ彼にはずっと憧れていた。
そんな彼から想いを伝えられたのは、今からちょうど1年前くらい。
中3の夏だった。
「僕は名前を一人の女性として好きだよ。」
信じられなくて、でも本当に嬉しかった。
高校に入学してからまだ会っていなかった。
東京から京都まで新幹線で2時間ほど。
遠くはないけど、征ちゃんの邪魔になりたくなくて我慢をしていた。