第15章 素直な気持ち*黄瀬*
朝目覚めてリビングに出ると、もう彼の姿はなかった。
今日はもう仕事に行ってしまったみたい。
いつもなら仕事のスケジュールを教えてくれるけど、昨日はそれどころではなかった。
本当なら今日は久しぶりの彼のOFF。
それに合わせて今日は有休を取っていた。
しかし、昨日急に仕事が入ったと言われてしまった。
彼の仕事のことは重々理解している。
普段なら仕方ないと自分を納得させるのだが、今回はタイミングが悪かった。
最近仕事がうまくいかず、昨日は上司に叱られた。
月に一度の女の子の日が近いため、気持ちが不安定になっていた。
色々と我慢していたものが弾けてしまった。
いつもは言葉を選ぶ余裕もあるが、感情的になって不満をぶつけてしまった。
「…またやっちゃった。」
後から冷静になって反省した時には、もう彼は眠っていた。