第2章 NAME*黒子*
「苗字さん、お待たせしました。」
「黒子くん!お疲れ様ー!」
バスケ部の練習が終わるのを待って、一緒に帰るのが最近の習慣になっていた。
黒子くんとお付き合いして早3ヶ月。
最初は影が薄くて、不思議な子だなーって思ってたクラスメイトだった。
席替えで隣同士になってから、よく話をするようになった。
さりげない優しさや穏やかな微笑みに心引かれていって、私から想いを告げた。
「…今日寒いですね。長く待たせてしまってすみませんでした。」
「大丈夫だよー!バスケしてる黒子くん見てたから!」
「…寒いでしょう。」
私の左手をとって、きゅっと握ってくれた。
見た目は中世的なのに、手はしっかり男の子の手。
バスケしてる時の黒子くんはまた一段と素敵。
彼のこういう細かい気遣いも好き。
だけど…一つ気になっていることがある。