第6章 剣術の差
山南「では…………始め!!!!」
山南の合図と共に土方は構えた。
だが私は構えず木刀を片手で
持って肩に担いでるだけ。
周りから見るときっと
なめてるって思われるよね。
だけどこれが私のスタイルだから。
拳銃の時もこうなの、絶対ね。
土方「……………来ないのか?」
土方歳三ってやっぱり。
史実通りの人なんだね。
とっても美形だけど・・・
剣の構えもそしてその刀もとても良い。
だけど、出会った当初から
嫌いな見透かされそうな瞳。
『私が木刀振ったら
多分土方負けちゃう。』
その瞳だけは何故か油断できない。
土方「……………………。」
ま、ただ土方自身は私のこと
警戒してるだけだと思うけどね。
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平助「二人とも動かねぇなぁ~」
新八「様子見てんだよ。」
原田「それにしても百合は
十四歳なのに背高いな~」
三人はその場にあぐらをかき座って話していた。
沖田「百合ちゃんって本当に海斗君より強いの?
あの構えからして・・やる気ないっていうか・・
そもそもあれが構えなのかすら・・」
斎藤「強いか弱いかはいいとして・・。
副長を目の前にしてあの者のあの余裕は
一体どこから来るのか・・・
俺には刀を、そしてこの試合そのものを
遊びとして捉えていそうなあの余裕が気に障る。」
沖田は座って刀を抱き
斎藤は立って二人を見ていた。
沖田「・・・・一君が愚痴なんて珍しい。」
斎藤「・・別に俺はそんなつもりで・・」
斎藤がそう言うと沖田はクスリと笑った。
沖田「だけど、分かるよ。
一君が言いたいことは・・
でも、それは後々分かってくることなんじゃない?
どうして女の百合ちゃんが剣術に武術に長けていて
何よりどうしてあの瞳だけは冷酷で全てを見透かされるような
闇をもった瞳なのか・・・・・」
斎藤「・・・そうだな・・」
斎藤は暫く間を開けて返答した。