第7章 獲物
私は部屋に戻った。
一人になると眠気に襲われたので、
急いでシャワーを浴びる事にした。
「親切なホテルがあって良かった」
私は彼らに感謝しながら、
冷えた身体を温めるようにシャワーを浴び続けていた。
その女の様子を知った彼らは、動きだした。
横山「さぁ、行くぞ、
女はかなり気を許しているから、楽勝や」
横山は冷静に、みんなに伝えた。
安田「頭いいなぁ、
シャワーを浴びてる時は外すって気づくなんて」
安田は関心しながら言った。
横山「神と真っ正面から闘う必要はない」
ニヤニヤしながら答えた。
村上「では、作戦通りに」
冷静にみんなの後から声をかけた。
横山「これ、か、」
脱衣場に入ると横山は、
私の服の上に置かれているロザリオを、
自身の目に痛みを覚えつつも
指先でゆっくりとつまみ上げ、鍵のついた小箱に入れた。
渋谷「傷は....」
心配した渋谷は、僅かに焼けただれた横山の指先に触れて癒した。
横山「これぐらい、俺らには痛くも痒くもない」
少し横山は笑うと、
ロザリオを入れた箱を胸の奥になおした。
それを見た瞬間に
村上「狩りを始めるぞ」
村上が狩りをスタートさせた。
シャワーを浴びた私は
バスローブを巻きベッドに座った。
「明日には帰れるかなぁ……」
不安を吐き出した時に突然、
人の気配がして振り返って見た。
しかし後ろに誰もいるはずはなく、
後ろにある鏡には、
不安がっている自分だけが映っていた。
「ああ、私か、なんか神経質になってるなぁ...」
そう呟き、前に向き直すと、
いつ入って来たのか一人の男性が立っていた。
錦戸「お嬢さん、明日なんて言わず、もっと長く楽しみませんか...」
錦戸に驚き、
私は焦りながら、後ずさりして鏡に背をつけた。
追い詰めながら、錦戸は笑って
錦戸「ええ顔やなぁ...」
私のアゴを、鋭い爪の伸びた手で掴んだ。
必死で抵抗し、
顔を左右に動かした私はある事に気が付いた。
錦戸の姿は鏡に映っていないのだ。
私が、その事に気が付いたことをみとめ
錦戸は興奮し、ニヤニヤと笑いだした。
「えっ、ど、どうして、鍵してたし、
あなた、、か、鏡に映ってない...」
パニックになって暴れまくる私に、
錦戸は躊躇なく覆い被さり、
鋭い牙を剥き出し、喉に狙いを定めた。