第5章 神に逆らった者
みんなは、横山の言葉を聞き、注目した。
渋谷「何かええ事を思いついたんやな」
ニヤッと笑う渋谷に、
静かに横山は微笑みながら頷いた。
錦戸「ああ俺、、我慢できない...」
空腹を我慢出来ない錦戸が、
牙を剥き出し隣の部屋に向かおうとした。
渋谷「待て、勝手な行動は許さん、」
渋谷は、イライラしている錦戸を制した。
その時、隣の部屋から戻って来た大倉が、
みんなの様子を伺う。
大倉「…」
大倉は、何も言わず皆の一番奥に座り込み、
考え始めた。
横山「亮、時期尚早...、
慌てると逃げられてしまうのみならず、
俺らの命すら危うくなる、勝手な行動はするな」
静かに横山は叱ると、
食べ物を持って行けと言うかのように、
丸山の方を向きアゴで指図した。
丸山はその合図とともに動きだした。
丸山「お待たせいたしました、
突然のお客様で、たいしたモノは出来ませんが、
どうぞお召し上がりください」
優しい笑顔で、丸山が静かに食事を出した。
目の前に、並んだご馳走に自然に顔が綻んだ。
「ありがとうございます、頂きます。」
私は静かに食べ始めた。
「美味しい」
丸山「ありがとうございます、
では、ごゆるりと」
そう告げると、
丸山は静かに私の前から去って行った。
丸山は一仕事を終えて、独り震えてうずくまった。
恐怖が丸山を襲っているようだった。
安田「なぁ、ほんまに手に入るん?」
安田が、不安そうに言った。
その言葉を聞いた渋谷は、笑いながら
渋谷「半世紀も生きて来た俺らが、
あんな小さなロザリオで、
こんなにうろたえるとはな」
丸山「笑い事ちゃうで、
俺らは永遠の命と引き換えに償えない罪を背負ったんやもん…」
震えながら、丸山が渋谷に吐き捨てた。
横山「神に逆らった結果か...」
横山のその言葉に、誰もが沈黙した。
その沈黙を壊すかのように
横山「食後が勝負やからな、
みんな準備をしろよ」
横山の言葉に男たちの目が、妖しく光った。