イケメン王宮◆イケメンがみんな悪かったら【R18】
第6章 勉強会【遊び人宮廷官僚レオ/R18】
ガチャッ。
大きな扉が開き
講師が入って来ると
皆の視線が集まる。
「おまたせ」
演台の前に立ち
ぱたんと音を立てて本を置くと
黒縁メガネの奥にある
印象的な赤い瞳が
ふっと細められた。
[レオだ……講師だけ仮面、着けてないんだ…]
いつものように
襟元を大きく開けて
そこから艶めかしい鎖骨が覗く、
チャラチャラした印象の服装。
しかし人の前に立つと、
端麗な容姿が際立って、
どこか品を漂わせていて。
サラは思わず見惚れてしまう。
[レオ…今日はちゃんと先生なんだ…
普段は私のことからかってばかりだけど、
実は優秀な官僚なんだよね…]
と、貴族たちに挨拶を済ませたレオが
サラの方を向いて。
「君が今日の助手?」
『あ、はい』
サラは、すっと立ち上がる。
「ジルから聞いてるよ。
名前は?」
『あ……』
[ジルから、プリンセスだと知られないようにって言われてるんだっけ]
『……マリアです』
サラはとっさにそう名乗った。