イケメン王宮◆イケメンがみんな悪かったら【R18】
第4章 乗馬【俺様騎士アラン/R18】
「遅い」
アランは足を止め
廊下の向こうから
小走りに駆けてくるサラに向かって言った。
『ア、アラン、ごめんなさい』
サラは、アランの前まで来ると、
頬を紅潮させたまま
アランを見上げた。
「なんかあったの?」
アランが眉を寄せて尋ねる。
『えっ、ど、どうして?』
サラは思わずギクリとする。
ワンピースの下には
先ほどジルに着せられた、
あのボンテージを着けたままで
落ち着かない心地が続いていたのだ。
「どうしてって
乗馬のレッスンの時間になっても来ねえから」
『あ、そ、そう…だよね。
ちょっと…その…ジルと話してたら…
…遅くなっちゃて
待たせてごめんなさい、アラン』
「……ならいいけど。
あんま心配させんなよ」
アランは大きくて逞しい手で
サラの頭をぽんぽんと撫でると
踵を返して厩舎へと歩き出した。
[あ、アラン、心配してくれてたんだ]
アランの優しさに胸が暖かくなる。
と、アランが振り返って。
「なにしてんの、行くぞ?」
『あ、うん』
サラは嬉しそうににっこり笑うと
アランの後について、厩舎へと向かった。