イケメン王宮◆イケメンがみんな悪かったら【R18】
第3章 衣装【お色気教育係ジル/R18】
彫刻が施された箱は
とても美しく
サラは思わず目を奪われる。
『きれいな箱…』
唇から溢れた言葉に答えるように
「こちらに
本日の公務でのお召し頂く
特別な衣装が入っています。
あちらの鏡の前で着替えて下さい」
[こんなにきれいな箱に入っているなんて]
「一体、どんな衣装なのですか?」
先程までの緊張は拭えないままだが、
あまりにも美しい箱に
サラは思わず頬を緩ませる。
(こういう所は、やはり女の子ですね)
ジルは優しい眼差しでサラを見下ろすと、
「開けてみてのお楽しみです、プリンセス」
そう言って
執務室の奥
簡易的に作っておいた
仕切りの向こう側の鏡の前に
サラを促した。
「では、着替えられましたら、お声かけください」
『はい』
サラが素直に答えると
「きっとお似合いになりますよ」
そう言ったジルが
意味ありげに微笑んだことに
サラは気付く由もなかった。