イケメン王宮◆イケメンがみんな悪かったら【R18】
第10章 プリンセス【ミステリアス公爵ルイ/R18】
『ここ…ルイが泊まってる部屋?』
ぱたん
ルイが扉を閉じる音を聞きながら
サラは部屋を見渡す。
上品な調度品で統一された
来客用の広い部屋。
もう日は傾いていて
大きな窓枠が長い影を落としていた。
「サラ……君は…
いつプリンセスを降りるの?」
『え?』
突然の
予想外の質問に、目を丸くするサラ。
「言ったはずだよ?
君みたいな子に、プリンセスが務まるとは思えない」
そうだった。
サラがプリンセスになってすぐ、
ルイはそう言ったのだ。
ルイの無機質な瞳が
サラを見詰める。
サラは、少し悲しい気持ちになって。
[レッスン中に、あんな声を出してしまって、
呆れられたよね……
……でも………]
『私は……一度やると言った以上、
無責任に投げ出すつもりないから…』
意思を込めた口調ではっきり告げると
冷ややかだったルイの瞳が、僅かに揺れた。
「…そう……」
が、それも一瞬のことで
ルイはまた
氷のような瞳でサラを見詰めると
「サラ…
ここに座って」
荘厳な肘掛のついた
大きな椅子へとサラを促した。