イケメン王宮◆イケメンがみんな悪かったら【R18】
第9章 ダンス【ミステリアス公爵ルイ/R18】
今にも
甘い声が漏れてしまいそうで
腰が…厭らしく、くねりそうで…。
[どうしよう…こんなにも…触れて欲しいなんて…]
自制の効かない身体に困惑していると
不意に
静かだが、厳しい声が飛んだ。
「サラ……集中して」
ステップを踏み続けたまま
ルイの美しい指先が
サラの顎に触れる。
その途端。
びくびくっ。
サラの身体が大きく震えた。
ルイは思わずステップを止める。
「…………どうしたの?」
ルイは熱を測ろうとしたのか
顎に添えていた指先を
そのまま首筋へと滑らせた。
その瞬間。
『…ぁぁ……』
サラの唇が緩く開き
無意識に
淫らな声が
零れてしまった。
[…………っ///]
恐る恐る見上げると
ルイは
怪訝な顔でサラを見下ろしている。
[や、やだ///
レッスン中なのに…こんな恥ずかしい声…]
ルイは暫くサラを見詰めたあと。
「……もういい」
そう言ってサラからすっと離れた。
[怒らせた?
どうしよう、せっかく一生懸命教えてくれていたのに]
『っ…ルイっ、ごめんなさい
あの、私…っ』
サラがルイの腕にすがり、
必死に謝ろうとすると
ルイは
それを気に留める様子もなく
サラの手に指を絡めた。
『っ……』
「こっち…」
ルイはサラの手を引いて
ダンスホールを後にした。