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イケメン王宮◆イケメンがみんな悪かったら【R18】

第9章 ダンス【ミステリアス公爵ルイ/R18】


ユーリ「え?」


ユーリがきょとんと首を傾げる。


サラの口の中で
丸い何かが溶け出し
甘さが口の中に広がる。


『…チョコレート?』


サラは、長い睫をぱちぱちさせて。


シドは不敵に笑みながら
ルイに、同じ包みをポンと投げて寄越した。


シド「お前にもやるよ」


そう言ってから踵を返すと
シドは
ユーリに肩を抱かれたままのサラに近づき


シド「がんばれよ、プリンセス」


ぽんぽんと
通り抜けざまに頭を撫で
そのまま去って行った。


『……ありがとうシド』


シドの予想外の優しさに
サラは
ほう…と頬を緩ませ、
嬉しそうにチョコレートを味わう。


シドの背中を見送るルイは
何か思案するように包みを見つめてから
それを上着のポケットに入れ


ルイ「…行こう…」


サラにそっと手を差し伸べた。


品よく揃えられた美しい指先。


『あ、うん』


サラは
魅入られるように手を添える。


ルイ(アイツ…なんのつもりだ…)


人形のように整った顔に
僅かに怪訝な色を浮かべながら
ルイがサラの手を引きよせると
湯上がりのシャボンの香りが漂った。


ルイ(こんな時間に湯浴み......)


ルイは何かを察したように睫を伏せると
ダンスホールへと入って行った。


ユーリは、ただじっと
二人を見送った…。


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シド「楽しいレッスンになるといいなあ……ルイ」


クッと喉を鳴らすシドの低い笑い声と
誰に告げるでもない言葉が
静かな廊下に溶けていった…。



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