イケメン王宮◆イケメンがみんな悪かったら【R18】
第8章 ワイン【大胆不敵謎の情報屋シド/R18】
「う~ん...これ?」
応接室に2人きり。
ソファに腰を下ろしているサラは
テーブルの上にたくさん並べられた
ワインの入ったグラスの中から
1つを指差した。
緊張の面持ちで
シドの整った顔を
伺うように覗き込む。
するとシドは
薄く形の良い唇の端を持ち上げて。
「正解だ。
やるじゃねえか」
サラの隣にどさりと腰を下ろすと
長くしなやかな腕を
サラの肩に回す。
肩にのし掛かったシドの重みと
ふわりと品の良いオーデコロンの香りを感じながら
サラは嬉しそうに頬を緩ませた......
近々行われるワインの品評会に出席するため、
サラは
酒に詳しいシドに
レッスンを受けていた。
ワインの歴史から、産地、製造過程などの座学。
そして今は
シドが仕入れてくれた様々なワインを
テイスティングの真っ最中。
支えてくれている皆のためにも
期待に応えたいサラは
酒に疎いながらも
熱心に、様々なワインを飲み比べている。
少し酔いが回ってきたのだろうか。
サラの透けるような白い肌は
ほんのりと薔薇色に色づいて
意識もどこかふわふわしていて……
普段のサラならあり得ない事だが
シドとの距離が
突然縮まったことも、
さほど気にならない様だった。