第3章 入江みお 〜朝〜
入江が通っている学校は"セイントクラウス高校"。
中高一貫校だ。
この学校はキリスト教、しかもプロテスタントの学校だ。
毎朝礼拝で一日の学校生活が始まり、そして終わる。
入江はそこに電車とバスで通っていた。
朝ごはんを胃袋にかきこみ、歯磨き、洗顔をし、制服に手を伸ばした。
セーラー服だ。
スカートに足を通し、2回折る。本当は膝上丈スカートは校則違反だがそんなことはどうでもいい。
膝下丈のスカートなど履きたくなかった。
袖に腕を通し頭を入れる。胸元のボタンとホックを止め、手で制服のシワを伸ばした。
入江は鏡を手に取り素早くクシで髪をとかす。黒くセミロングな髪が綺麗に揺れる。
スクールバッグに筆箱を投げ入れ携帯を持ち上げた。
そして何気無しに画面を開いた。
ー後藤直人からのメールが一件あります。
入江は軽く顔をしかめる。