第1章 お仕置き?
「もう帰るんですか?」
タクシーに乗り込み、車が動き出すと四季は不思議そうに七瀬に尋ねた。
「僕も少し飲み過ぎてしまったんで、先に帰らせてもらったんですよ」
「そうだたんですか…もう少し飲みたかったなぁ」
名残惜しそうに外に咲く桜を見ながら、四季はそう呟いた。
「そんなに飲み足りないなら、僕の家で飲んでいきますか?」
にっこりとほほ笑み頭を撫でられた四季は嬉しそうに頷いた。
「明日はお休みですし…ゆっくりしましょうね」
ゆっくりなどしないつもりの七瀬であったが、そんなことは気づかせぬように優しく微笑んだ。
「お邪魔します…」
もう何度も訪れているはずの七瀬の家だが、毎回律儀に挨拶をする四季の姿をいつも可愛らしく思っていた。かなり酔っぱらっているはずなのに、その習慣は変わらない…
「可愛いですね」
「ん??」
「いえ…」
そんな姿を見た七瀬の心に優しい感情が少し戻ったのも束の間、部屋に入った四季のコートを脱がせ、キャミソールを見てしまった瞬間にその感情も吹き飛んだ。