第1章 お仕置き?
「四季くん?」
四季に抱き付いていた中谷はそこに七瀬がいることに気づき、助けを求め…ようとした。
「七瀬!やっと来てくれ……!!?」
その時になって、中谷は自分の置かれた状況が非常にまずいことに気が付いた。
中谷の腕の中には七瀬の恋人の四季がいるのである。以前四季を襲ったと嘘をついた時の七瀬の怒りの報復を受けていた中谷は、その時と同じ七瀬の瞳の色に、身震いした。
「違っ!これは誤解で!!」
そう言って、中谷は咄嗟に先程まで抱きしめていた四季を腕から離してしまったのである。なぜ抱きしめていたのか、それすらも忘れ…
「やっと離してくれたー」
腕の中にいた時は不機嫌そうな表情をしていた四季は、やっと解放されたことに喜び、両腕を上にあげた。
「あっ!待った!」
中谷は今さらながらに自分の失態を呪った。
「っ!!」
四季の肩から着ていたはずのコートが落ち、その中に着ていたはずの上着が無くなっていたのである。
そう、今四季の上半身を覆うものは下着とキャミソールだけであった。