第1章 お仕置き?
「七瀬先輩!」
お花見が始まってから2時間ほどたったころだろうか、焦ったように海藤が七瀬の元に走って来た。七瀬は久しぶりに会った保坂や鈴鹿と話しており、そこにいた2人も驚いたように海藤の方を向いた。
「どうかしたの?」
はぁはぁと荒くなった呼吸を落ち着かせ、海藤は七瀬を見た。どう説明したら良いものか悩む…それほどまでに色々な事態が起きているのである。
「はぁ……とりあえず、説明すると長くなりそうなんで3人とも来てもらえませんか」
「ちょ!四季ちゃん!やめっ!!」
「こんなのいりません!中谷先輩あげます!」
「いや!俺にはそれは目に毒でっっ」
目の前で起きている事態に、七瀬は唖然とした。
佐原は酔ったのかレジャーシートの上で丸くなって寝ており、吉井と鳥海は悪乗りをしているのか吉井が鳥海に絞め技を決め、唯一いた教員の野々村は周りの様子を傍観しながら笑うだけであった。
そして、一番の衝撃…
…四季が中谷に抱き付かれている姿がそこにはあった