第2章 仕返し
「逃がしはしませんよ…?」
四季の頭上で両手を一纏めに左手で押さえつけ、右手で自分の着ていたバスローブの腰ひもを解いて引き抜いた。それを頭上へと持っていく七瀬に、さすがに何をされるか察した四季は青ざめた。
「なっ……逃げませんからやめてください!!」
「駄目。昨日、四季くんもやめなかったでしょう」
「なんの……ことですか?」
「何も覚えてないの?」
「えっと…はい……だから…」
覚えていないから許してほしいと言おうとした四季であったが、
「覚えてなくても許してあげる気はありませんので、覚悟してくださいね?」
さっきの困惑したものではない、いっそすがすがしいほどに満面の笑みをした七瀬は四季の拒否など聞かなかったかのように、両手を縛った。
「…っ!!ご、ごめんなさいぃぃー…!」
四季が慌てて謝るが、後の祭りであった。