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短編集~七ver~

第2章 仕返し


お仕置きだと言った。その言葉通りなのか、いつもより激しい口づけに四季は鼻で呼吸する余裕すらなく、息苦しさに顔を背けようと横を向こうとするが、それに気づいた七瀬に片手で後頭部を押さえつけられる。空いた片手で七瀬を少しでも離そうと押すが、息苦しさに力のはいらない腕ではどうすることも出来なかった。

「んーー…!!」

せめてもの抵抗で口内を動き回る舌を追い出そうと舌を使うが、それも七瀬に強く吸われては、また口内を蹂躙する動きに変わる。徐々に抵抗を弱める四季に満足したのか、七瀬はやっと唇を離した。

「っは………ぁ…」

やっと取り込めた酸素に四季は大きく肩で呼吸をした。目の前が酸欠でちかちかと光るような錯覚を起こす。やっと呼吸が落ち着き、冷静になった四季は七瀬に不満を言った。

「…はぁ……苦し…かったです……」

外は明るい。カーテンを閉めているとはいえ、室内はかなり明るかった。そんな中、七瀬を見上げた四季はその表情に釘付けになった。困惑したように眉根を寄せ、けれども口元は微笑んでいる。苦笑い…と言ってしまえばそれまでだが、こちらに向く視線は欲が宿っているかのようで、惹きつけられる。どちらのとも分からない唾液で光る唇が意味深に舌でなぞる仕草に恥ずかしくなり、四季の体は七瀬から逃げようと動いてしまう。実際に逃げたいわけではなく、いたたまれなくなっただけだったが七瀬には逃がすまいと、先程よりも強い力でのしかかる。
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