第2章 仕返し
「あ、おはようございます…昨日はなんだか迷惑をかけちゃったみたいですみません…」
一瞬、驚いたように目を瞠った七瀬は、いつも以上に、それは優しそうな声色と笑顔で四季に答えた。
「あぁ、大丈夫ですよ。多少(強調)、(我慢するのが)大変でしたけど、愛しい人の為なら何でもできますから(お返しはしっかりしますけどね)」
七瀬の言葉の裏ある感情など気づきもしなかった四季は七瀬からの甘い言葉に照れて俯いた。
「私も七瀬先輩のこと大好きですよ?あ、昨日のお詫びに今日はなんでも言ってくださいね。行きたいところとかあれば付き合いますよ!お料理も…難しいものでなければ作るんで」
そんな四季の言葉に七瀬は微笑みを深くした。
「…じゃあ、今日は僕の願いをなんでも叶えてくれる?」
「はい!なんでも言ってください!」
それは獲物が手元に落ちてきた合図であった。