第34章 士気120%
道宮先輩は、しっかり前を見据え、言葉を続けた。
道宮
「だからこそ!相手チームが有名な強豪校だろうと、私達のような弱小と言われるようなチームだろうと、同じだと思っています。緒戦は一回きり。どんなチームだろうと、負けたら…そこまでです」
講堂が、シンと静まり返る。
道宮
「だから!だから、1試合、1試合、大切に…必死にボールを追いかけて、繋いで、次の試合にも出られるように、勝ちたいです!勝つ為に、頑張ってきたから!ね、皆!」
女バレ
「ハイッ!」
講堂が、拍手に包まれた。
道宮先輩は、少し驚きながら、慌てて頭を下げ、パタパタと舞台を降りていった。
良い挨拶…感動した〜!
そして、舞台袖から澤村先輩が、壇上に上がった。
流石の澤村先輩も、やっぱ緊張してるみたい。
澤村先輩は、生徒達に一礼すると、スピーチを始めた。
─と、同時に、舞台下の皆が動き出した。
なんだなんだ⁉︎
私は、急いでそれを追いかける。
舞台袖に着くと、2年生達がラジカセを囲んでいた。