第30章 好敵手
猫又
「烏野での信頼も厚いようだしな」
暦
「え?」
猫又
「皆無意識なんだろうが…烏野の選手は皆、好プレーをする度に、アンタを見やりよる」
暦
「え、そうなんですか?」
全然気付かなかった…後で注意しておこう。
私が違うベンチに居るの、違和感あるんだろうけど…試合に集中しないなんてダメだし。
猫又
「そして何より…常に烏野の事を考えている、それが素晴らしい」
暦
「?」
猫又
「ウチのマネをしながら、ウチの選手を見ながら、烏野の為の事を常に考えていただろう?」
!気付かれてたか…
暦
「…今は、音駒のマネでも…私は烏野のマネですからね。この“練習試合”と“臨時マネージャーの立場”を利用して、烏野の成長に“繋げます”(ニッ」
敵チームのマネをしてる今は、試合の勝ち負けより、試合から得る物を考える。
猫又
「!…ほほう?(ニヤッ」
…なんか今日、ニヤリ顔する人多いな。