第26章 夜の語らい
無防備な寝顔を見ると胸が高鳴る。
腕にある感触と体温に、自身の体温も上がるのを感じる。
いや、確かに可愛いと思うけど!
それは、部活の後輩だからとか、頼れるマネージャーだからとか、そういう─って、何自分に自分で弁解してるんだ俺…
軽く混乱していると、
暦
「……い…」
また鳴宮の声が聞こえた。
暦
「…ごめ…なさ……」
寝言…謝ってる?
“ごめんなさい”なら、日向達1年とか、友達とか、家族とか…親しい人に対しての言葉かな。
暦
「…ゆき…ちか……直人……」
…鳴宮の過去に関係ある人の名前…?
俺は、それが誰なのかも、鳴宮が何で泣いてるのかも知らない…助けになりたいのに、無力過ぎだろ…