第2章 出会い
澤村
「お前らに、少し…聞いてほしいんだけどさ」
日向/影山
「?」
菅原/田中
「(ビクーッ」
暦
「?」
菅原先輩と田中先輩の今の反応…なに?
澤村
「お前らが、どういう動機で烏野に来たかは知らない。けど、当然勝つ気で来てるんだろ?」
日向
「ハイ!」
影山
「勿論です」
澤村
「─烏野は数年前まで、県内ではトップを争えるチームだった。一度だけだが、全国へも行った」
家でも聞いたな…“小さな巨人”だっけ。
澤村
「でも今は、良くて県ベスト8。特別弱くも─強くもない。他校からの呼び名は─落ちた強豪〝飛べない烏〟」
日向/影山
「………」
田中
「まったく、誰スかね。そんな、ポエミーで失礼な名前付けやがったのは!」
澤村
「烏野が、〝春高〟で全国大会に出た時の事は、よく覚えてる」
澤村先輩は、思い返すように目を閉じた。