第7章 新人戦─3対3─
〜暦 side〜
ただ勝ちたかったから、ただ長くコートに立っていたかったから…その為に、周りを見ることが出来なかった。
セッターの意義である、仲間に“打たせる”事が出来なかった…結果、チームメイトにトスを拒絶され、ベンチに下げられた。
影山君に、そんな辛い過去があったなんて…
体育館は静まり返ってる。
拒絶…か…
影山君が、何を抱えていたのか、やっとわかった。
──少し…過去の自分と重なって見えて…
ズキ
暦
「っ……‼︎」
私は、自分の左膝が痛むのを感じた。
月島
「速攻使わないのも、あの決勝の所為でビビってるとか?」
田中
「…てめえ、さっきからうるっせんだよ」
澤村
「田中」
澤村先輩の声に、田中先輩は口を閉じる。