第7章 新人戦─3対3─
〜影山 side〜
去年…中学総合体育大会、県予選準決勝…
相手ブロックの高さ、反応の速さ、引き離せない点差…それらに俺は焦ってた。
『もっと速く‼︎』
トスを速く出した…スパイカーが間に合わずコンビミスになっても、やめなかった。
『巫山戯んな‼︎無茶過ぎんだよ、お前のトス‼︎打たなきゃ意味無えだろうが‼︎』
けど、ブロック振り切れなきゃ勝てねえだろ!
ここで終わんのか?負けんのか⁉︎…違う‼︎俺は全国へ行く‼︎
『もっと速く動け‼︎もっと高く飛べ‼︎俺のトスに合わせろ‼︎勝ちたいなら‼︎』
俺は自分の仲間にそう言った…気付いた時には遅かった。
─そして、第1セット…相手のセットポイント…トスを上げた先、そこには誰も居なかった。
それは、あの日何度目かのコンビミス。
でも、最後のあれは〝ミス〟じゃない──あれは、拒絶だ。
『もうお前にはついて行かない』と、あいつらが俺に言った一球だった。
『──影山。お前、もうベンチ下がれ』