第51章 大切なもの
暦
「中学卒業した後に買って貰って…ユキには……伝え忘れてた、ごめん」
本当は、チカに止められてたんだけど…
ユキ
《でも、お兄ちゃんとは連絡し合ってたんじゃん!私だけ除け者とか酷い!》
暦
「だからごめんって…えっと、今チカは?」
ユキ
《携帯忘れて帰っちゃった》
暦
「えええ…」
マジかー…さっきまでの緊張は何だったんだ。←
ユキ
《それより、聞いてよ暦!》
暦
「なに?」
ユキ
《私の足、治るかもしれないの!》
暦
「!…本当…⁉︎」
ユキ
《リハビリ頑張れば!バレーボールも…また出来る。てか、やる!やるって決めた‼︎》
暦
「そっか…良かったぁ…っ」
思わず滲んだ涙を、私は袖で拭った。
ユキ
《だから──暦も、バレーボール諦めないで》