第51章 大切なもの
ユキ
《暦の怪我が、どんな状態なのか知らないけど…私みたいに入院してないなら、軽いんでしょ⁉︎》
暦
「それは…」
ユキ
《ちゃんと答えて‼︎》
さっきより強く、ユキが怒鳴った。
ユキ
《お兄ちゃんにばっか話して、どうして私には教えてくれないの⁉︎》
暦
「!」
ユキ
《やっぱり…私の事、許せないから?あの時の事、まだ怒ってるから?》
暦
「ち、違う!なんで私が怒るの」
ユキ
《だって、あの時は本気で怒ってたじゃん!》
確かに怒ったけど!
暦
「あれはっ…悪いのは、私の方だよ。あの時…もっとちゃんとユキの事考えてたら、ユキは怪我なんてしなかった…」
ユキ
《!何言ってんの…⁉︎》
ユキの声色が変わる。
ユキ
《私の怪我は暦の所為なんかじゃない‼︎》
暦
「私の所為だよ!!!」