第51章 大切なもの

〜菅原 side〜


日向
「やっぱり暦の意思じゃなかった‼︎」


日向の言葉に、俺は驚きのあまり大地や旭と顔を見合わせた。


日向
「暦の話、俺には意味がよく分かんないトコも多かったけど…」


日向は、真っ直ぐ鳴宮を見つめて続ける。


日向
「暦は、バレー大好きで、プレーしたくて、泣くくらいバレー部に居たいんだろ‼︎」


暦
「！ちが…話聞いてた⁉︎私は、居たくないって言ったんだよ！」


日向
「暦が、何でバレーしちゃいけないのか分かんないけどっ…決意？が揺れるとか、羨ましいとか、思ったって別に良いじゃんか‼︎」


ズンズンと日向が鳴宮の前に歩いてくと、鳴宮は一歩後ろに退がった。


日向
「何で思っちゃダメなんだよ！」


暦
「り、理由は…皆には関係ない話だから」


菅原
「それは、梢さんも教えてくれなかったな…」


俺が呟くと、鳴宮は少し安堵した様子になった。


そんなに、俺達に知られたくない理由なんだな…